漸くと言うか、あの悪夢の敗戦を忘れることができかかってきました。
未だに残念で残念で悔しくて堪りませんが、たまたま目にしたGrant Harding氏がNZ Rugby Magazineに寄せた”BANISH 'WINNING UGLY'“というコラムを読んで、少しだけ溜飲を下げることが出来たようです。
内容的には負け惜しみに近いものですが、そうなんですよ。
イングランドのラグビーはツマラナイし、長期的な眼で見れば、あれを勝たせることはラグビーの衰退に繋がります。
ボックスは良いラグビーをしたけれど、NZを破ったフランスがイングランド相手に見せたパフォーマンスも、彼ら同様に世界最高峰の舞台で見せるには物足りないものでした。
オールブラックスは、何年も何年も「負けない」ラグビーではなく「勝利を掴み取る」ラグビーを目指し、それを実践してきました。
「王道」と呼んでも良いかもしれません。
グラウンドに立ってHakaを謳いあげてからノーサイドの笛が聴こえるまで、常にボールを持って一歩でも前に進むことに集中する。
力強く突進し、密集で体を張り、味方の援護を信じて基点を作る。
大きく展開して相手を翻弄し、ステップでディフェンスを切り裂き、立ち塞がる敵を弾き飛ばす。
低く激しいタックルで攻撃を防ぎ、正確無比なキックでボールをコントロールする。
およそラグビーの全ての魅力を、彼らこそが体現してきたのです。
だからこそ、例えばポルトガルの選手たちは「オールブラックスと戦える」ことに喜びを見出し、1点でも多く彼らから奪うことに直向に情熱を傾けることが出来たわけで。
今回、準決勝での悲劇は、もしかするとそのオールブラックスが少しだけ守りに入り、「負けないラグビー」をしてしまったことが原因かもしれません。
言い換えれば「勝利を渇望したラグビー」ではなく「負けるのを恐れたラグビー」をしてしまったが故の、ラグビーの神様からの罰。
4年後は地元開催。
ひとつボタンを掛け違えれば、今回以上に「負けられない」という方向に意識が向いてしまいかねません。
今回以上の自信と誇りを持って、この「勝利への飢え」を満たすことだけを考えた挑戦者の美学を見せて欲しいものです。
そう、オールブラックスは、どれだけ勝利を重ねても、常に「挑戦者」。
王道を歩んで、堂々と勝利するという行為は、ラグビーの歴史への「挑戦」に他ならないのだから。